肥満女性のケトアシドーシスの実例

出産直後の女性の
ケトアシドーシスショック



 「低炭水化物ダイエットで嘔吐とけいれんが発生?授乳中の女性に起こったケトアシドーシス 糖尿病のない32歳女性の症例報告」http://medley.life/news/item/5625f27cf591e11d54ac591fが2015年10月22日に流れました。少なからず糖質制限狂信者に不安を与えたようですね。どうせ心中するんだから別に慌てなくていいのに(笑)、みっともない。私はそこでふっと思い出したことがありました。



 そこいらの図書館でもおいてあるであろう『本当は怖い「糖質制限」』(岡本卓)という新書に極端な糖質制限をやった人がケトアシドーシスを起こした事例として「ランセット」2006年3月18日号に掲載されたレポートを紹介しています(同書80~85)。なお英文はこちら



肥満女性、糖質制限で?
ケトアシドーシス



 この患者さんは、40歳の白人女性でBMI41.6、強度に肥満しており、呼吸困難を訴えていました。5日前から食欲が低下し、吐き気を訴え、1日に4~6回の嘔吐があったということです。その後、息切れが悪化し、ついに救急外来に来院したということです。

 彼女はアトキンスダイエットの信奉者で低糖質・高タンパク質の食事療法を厳格に守り、ふだんは肉・チーズ・サラダを食べていたということでした。ビタミン類もアトキンスダイエットで推奨されるサプリメントを忠実にとっていました。

 さらに、彼女はオリジナルのアトキンスダイエット本にのっとり、1日に2回尿をチェックし、ケトン体が強陽性であることを確認するという生活を続けた結果、1ヶ月で約9㎏の体重減少に成功していたのです。

 彼女は、救急外来では、上腹部に軽い痛みを訴えていました。血液中の成分を調べると、極端な酸性(pH7.19)の状態が認められたものの、血糖値は75㎎/dlと正常でした。

 血液が生命を脅かすほど酸性になる理由の一つに重い糖尿病がありますが、彼女に糖尿病はなく、尿検査でケトン体が出ていることから、ケトン体にともなう酸性状態であることは明白でした。そしてICU(集中治療室)に入院となり、ただちに点滴が投与されました。



 おかわりクン(中村剛也・埼玉西武ライオンズ。50M走6.3秒)がBMI33.3だからなあ、すごいよ41ってのは。さて血液が極端に賛成に傾くと生命の危険がある(普通に暮らしていればそんな状態にはならんだろうが)。この患者は点滴を打ったおかげで4日目には状態が改善し退院しています。さて、糖尿病ではない彼女に何があったのか。



 まず、患者さんはお酒を飲む人ではないので、アルコールの影響は排除されます。また、メタノールやエチレングリコールの影響も否定されました。ただ、アセトンと3-ヒドロキシ酪酸の濃度が異常に高くなっており、これが酸性にした原因であることが突き止められました。正常値では、44μg/mlまでのところが、何と390μg/mlまで上昇していたというのです。



 3-ヒドロキシ酪酸(3-ヒドロキシらくさん、3-Hydroxybutyric acid)はケトン体の1つである。(化学的にはケトン基を持たないのでケトンには含まれない。)不斉炭素原子を持ち、D-3-ヒドロキシ酪酸とL-3-ヒドロキシ酪酸の2つのエナンチオマーがある。他のケトン体であるアセト酢酸やアセトンと同様に、遊離脂肪酸の代謝によって発生するケトーシスによって濃度が上がる。人間では3-ヒドロキシ酪酸は肝臓でアセチルCoAから作られ、血中グルコース濃度が少ない時に脳のエネルギー源として使われる。また生分解性プラスチックの原料にも使われている。   https://ja.wikipedia.org/wiki/3-%E3%83%92%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%AD%E3%82%B7%E9%85%AA%E9%85%B8



 アセトン (acetone) は有機溶媒として広く用いられる有機化合物で、もっとも単純な構造のケトンである。分子式 C3H6O、示性式 CH3COCH3、又は、(CH3)2CO、IUPAC命名法では 2-プロパノン (2-propanone) と表される。両親媒性の無色の液体で、水、アルコール類、クロロホルム、エーテル類、ほとんどの油脂をよく溶かす。蒸気圧が20 ℃において24.7 kPaと高いことから常温で高い揮発性を有し、強い引火性がある。ジメチルケトンとも表記される。    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%88%E3%83%B3



 糖質を制限し、飢餓状態になると、ブドウ糖が減少するので血糖を低下させるインスリンの分泌量は減少します。そして、ブドウ糖の代わりのエネルギー源として脂肪酸からケトン体が合成されます。

 彼女の場合、「アトキンスダイエットで、ケト―シス(=ケトン症。体内のケトン体が異常に増えること)を起こしていたところ、軽い膵炎あるいは胃炎を併発し、さらに食事がとれなくなり、結果的に、重症のケトアシドーシスをきたしたと考えられる」と報告しています(Lancet 2006;367:958)。



 ということです。引用ばかりで申し訳ないけど。なおμg(マイクログラム。1/1000ミリグラム)です。



Dr.糖尿モヤシ教祖も
取り上げていたが・・・。



 あのDr.糖尿モヤシ教祖もブログで取り上げていました。あろうことか”Lancet 2006;367:958”でgoogle検索すると1ページ目のド頭に出てきやがんの(大笑)。「5 アトキンスダイエットとケトアシドーシス、世界で2例報告ですが?」http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2080.html?sp 内容に関してはこれらの報告に対し冷笑で返すといった信者は大喜び、それ以外はムッとする感じ。新興の邪教はたいていそんな感じなんですが、こんなこと書いてます。



 論文を読むと2例とも、アトキンスダイエットで生理的ケトーシスがあった人が、たまたま胃腸疾患で嘔吐を数日繰り返して食事摂取もできず、脱水となり、脱水のためにアシドーシスが生じたと考えられます。いずれも短期間で回復しています。
 
すなわち、ことの本質は「嘔吐と食事摂取不能による脱水が原因のアシドーシス」であり、アトキンスダイエットは直接の関係はないと私は考察しました。
 
言い換えると、生理的ケトーシスがあって元気だった人に、「嘔吐・食事摂取不能→脱水→脱水によるアシドーシス」が加わって、結果としてケトアシドーシスを生じたということです。
 例えば、江部康二は血中ケトン体値が1000μM/L(26~122)くらいあって、生理的ケトーシスですが正常で元気です。
 もし私が一人で山に登って滑落して足を骨折して動けなくなり、水も飲めない状態になれば、数日で脱水によるアシドーシスになります。


 ジジイ、あんたは正常じゃねえだろ(爆笑)!しかしgoogle検索で1ページ目のド頭にくる快挙を達成しているんですが、欧米の医学界にはお呼ばれしませんね。自説を述べるのは結構なんですが、一般書やブログでやっても意味がない。日本の健康バラエティー番組出演も同じく。単刀直入に言うと、「まな板に乗れ」。実際に何が起こっているのか自らの体で医学に貢献しろよ。なおDr.糖尿モヤシ教祖のブログですが、「授乳女性の糖質制限ケトアシドーシス」の記事は今のところありません(2015年11月4日時点)。なぜ書かないんでしょうか?今回も脱水症状なんかどうか考察してほしいです、あんなブログに書き込む気はないですが。


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